網膜剥離闘病記 その3
2010年12月1日
手術の日です。
午前中は普通に過ごし、手術は夕方4時頃開始予定です。
開始予定時刻から少し遅れ、病室で注射や点滴の準備をして車椅子で手術室へ向かいました。
車椅子に乗るのも人生初でした。
手術室に入る前に、一旦手前のリラックスゾーンなんでしょうか?音楽がかかる小部屋で少し待機させられた後、手術室へ入りました。
自分で手術台の上に横になると、テレビの手術シーンでよくみる例の濃い緑色の衣をかぶせられ、左目に水中ゴーグルみたいなものを装着されました。
ここまで来るともう後戻りはできません…先生に全て委ねて成功を祈るしかないと改めて決意しました。
最初に白目部分に部分麻酔をします。
目に直接注射するのですが、自分の目では見えませんので、チクッと痛いだけで終わります。
白目部分に3つの穴を開け、レーザーや照明などの器具を眼内に挿入して手術が実行されます。
硝子体除去⇒網膜をレーザー凝固⇒ガス注入、という流れで手術は進みます。
網膜と硝子体の癒着が激しかったようで、3時間に及ぶ大手術になりましたが無事完了しました。
結果的に水晶体の除去も行われることなく、30台前半で白内障手術という危機もまぬがれました。
この手術の怖さは実際に体験した人にしかわからないと思うのですが、手術中ずっと目は見えたままなのです。
はっきりとは見えないですが、硝子体が切り取られている感じやレーザーの光が動くのはわかるので、自分の目がえらいことになっているという緊張感に常時包まれます。
いったいいつ終わるのか…早く終わってくれ…と願うこと3時間、今思えばよく耐えたと思います。
病室に戻ったら汗びっしょりになっており、すぐに着替えましました。
これは暑いから出た汗ではなく、緊張から発生した汗でびっしょりになっていたのです。
着替えた後の開放感は人生最大のものでしたが、指定された姿勢を保つ必要があったため、明日以後のことを思うとすぐに憂鬱感に覆われてしまいました…
その「指定された姿勢」とは? 術後の話は次以降で。
後日談ですが、手術の様子が病棟のモニターに生中継されていたようで、両親と嫁さんは手術を見ていたようです。
医師の研修用に録画していたのでしょうか? 撮影理由はよくわかりません。
どんな様子だったのか後で嫁さんに聞くと、とにかく目の中をずっとグリグリやっていて、それが画面に映っていたとのことで、それは恐ろしい光景だったのだろうと想像します。