カテゴリー : 資産運用

とある社長からの質問

某証券会社が取り扱っているハイイールド債(通貨選択型)を証券マンに勧められたのだがどうか?という質問を受けました。
結論としては、買うべきではないとアドバイスしました。
理由は以下の通りです。
・社長自身が商品の内容を理解していない
・利回りが高い債券で運用とのことだが、安全性が低い債権を扱っている
・すべて外貨建てのため、為替変動の影響をもろに受ける
・購入時手数料と運用手数料が高い

ネット証券での取引しかしたことがない私が言うのも何ですが、証券会社や銀行が勧める商品については、以下を心がけるとよいかと思います。
1.自分が理解できないものは買わない
2.外貨建ての投資商品は基本的に避ける
(外貨の運用は別の手段で行うべき)
3.手数料ができるだけ安いものを選ぶ
(一番最後に勧められるものが買う側にとって最良の商品だと言う人もいます…)

<金投資>若い世代に人気 年金不安に安全志向反映

ヤフーニュースにあった上記のタイトルの記事を読みました。
ある証券会社では純金積立口座の3割程度が20~30代とのことです。
実は私もその中に入っております…

私の個人的考えですが、金の購入は投資ではないと思っております。
なぜなら金は保有していても何のリターンも得られないからです。
株式なら配当、不動産なら賃貸収入、FXならスワップ、銀行預金なら利息があります。
売却益を得るのも投資収益の一つですが、それは投資の本流ではないと考えます。
あくまで所有することで利益を得られるのが投資だと思います。

資産分散を実行するにあたり、金は欠かせない存在であることは間違いありません。
貨幣価値はその国の力によって支えられているだけであり、国が滅びれば貨幣も価値を失います。
しかし、金は古代から人類共通の価値あるものとして君臨しており、その安心感は他に代えられるものではありません。
とはいえ、金の理想的な保有割合としては、総資産額の1割、多くても2割程度ではないでしょうか。

これから投資をスタートする方がいきなり金を買うのは間違っていると思います。
まずは株式や為替から始め、「所有によるリターン」を得る手段を持つことから始めなければなりません。
消費税増税と同じで、「その前にやるべき事があるだろう」という話です。

JAL再上場について

一度経営破たんしたものの、国の支援を受けてよみがえり、9月19日に再上場するようです。
売出価格は1株3790円、株数は175,000,000株ですので、663,250,000,000円の資金が手元に入ります。
国から拠出された資金はこれで返済することとなり、国民負担は回避されました。
めでたしめでたし、と思いたいところですが…

忘れてはならないのは、以前の株主はJAL株をただの紙切れにされていることです。
株主優待目当てに所有していた個人株主はたくさんいましたし、国策企業はつぶれないだろうと老後の資金を充てていた方もいるでしょう。
そして、他の株式を売ってJALの新規公開株購入の資金に充てようという流れから、日本市場全体が下落しています。
間接的にすべての株主に影響を与えているといっても過言ではありません。

これは国策であり失敗できないという観点で考えると、上場後しばらくは堅調に株価が推移するように予想されますので、他の株式を売ってでもJALを買いに行く選択は正しいのでしょう。
ただ、個人的には感情としてJAL株を買いたいとは思いません。
投資の世界で感情を語るのは間違っているのでしょうけど…

小規模企業共済加入をお勧めします

私は国の広報部長でも何でもないのですが、中小企業経営者及び共同経営者並びに個人事業主の方に、小規模企業共済への加入をお勧めしています。
関与先で未加入の方には必ずパンフレット等をお渡ししてお勧めするのですが、ウェブサイト上でも記事にしておこうと思い立ちましたので記載させていただきます。

【小規模企業共済とは?】
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している「経営者の退職金制度」です。
自分で掛金の金額を設定し、その掛金を支払います。
最高で年額84万円まで掛けることができ、なんとその全額が所得控除の対象になります。
高所得者で最高税率(所得税住民税合計50%)を負担されている方なら税負担を42万円軽減できます。
生命保険や地震保険の所得控除額とは比べ物になりません。
最終的に引退または廃業した場合に「退職金」として掛金総額+αを受け取れます。

この「退職金」がメリット大で、退職所得は税制上優遇されているため多くの場合で税が課されません。
毎年の所得から掛金全額が控除され、受取時には税が課されず増額されて戻ってくる…株式やゴールドに投資する資金があるなら真っ先に加入すべきです。

退職所得の金額の計算上、加入期間が長ければ長いほど退職所得控除額が大きくなります。
ですので、たとえ少額であっても早期に加入して加入期間をできるだけ長くすべきです。
私も開業後すぐに加入しました。(金額はわずかですが…)
掛金は毎年変更が可能ですので、その時の資金状況に応じて加減すればとよいと思います。

バブル後最安値

東証TOPIXがリーマンショック後の安値を更新し、バブル後の最安値を更新しました。
1983年12月以来、29年ぶりの安値水準とのことです。
私は1977年12月生まれですので、29年前にこの世に存在はしていましたが、当時の事など幼児の私には知る由もありません。
バブルそのものも当時は学生だったため、何の恩恵も受けることができなかった不幸な世代です。
当時と今との経済状況の違いはわかりませんが、当時と明らかに違うのは、株価が世界情勢に大きく左右されるようになったことだと思います。
今や日本株売買の多くは外国人投資家が手がけているらしく、そこにも今回の安値の原因があるのかもしれません。

ところで、あらゆる物事は正規分布に基づくという説があります。
バブル最高値が正規分布の山に相当するのだとすると、今後は株価は落ちる一方になります。
日本国の実態を考えても、今後少子高齢化が進みすぎて日本人は絶滅する可能性もあることを考えると、あながち間違いではない気もします。

逆に円相場はというと、当時のレートは詳しく知りませんが、今は当時に比べてかなり円高になっているはずです。
日本株は売られ、日本円は買われるといういびつな状況が常態化していますが、いずれはこの歪みが解消されるときがくるはずです。
それならば株が買われるのか円が売られるのか、どちらの可能性が高いか?となれば断然円が売られる方でしょう。
そういう訳で、私は円売り外貨買いを以前から実行しています。
今は円高により多額の含み損を抱えていますが、必ず円安になるときが来るという信念に基づいて少しずつ円売りポジションを増やしております。