網膜剥離闘病記 その6

術後は特に問題が起きることなく、順調に回復していきました。
24時間下向き姿勢にも耐え続け、何回か気がおかしくなりそうな瞬間もありましたが、10日ほど経ったときに寝るときのみ横向きOKの指示がでて、退院日の2,3日前には下向き姿勢解除となりました。
その時の開放感は言葉では言い表すことができません。
自由って素晴らしいと思いました。

家族が病院にお寿司やすき家の牛丼を持ってきてくれ、下界の食べ物はなんとうまいのかと感動していたのはよい思い出です。
病院食は量は多いのですが、やはり薄味で毎日続くと飽きてくるのです。
健康にはいいのでしょうけど…

剥がれた網膜は元に戻ったのでよかったのですが、最初に穴が空いた部分は手術しても元に戻らず、今でも左目の視野の一部が欠けた状態です。
といっても日常生活には支障がないくらいの小さい範囲ですので問題ありません。
退院から1年半経過した今でも定期的にM眼科に通って眼内の様子を診てもらっています。
おそらく一生眼科には通い続けることになるのでしょう。
退院後3ヶ月くらいの時に、右目の網膜にも穴が空いているということで、レーザー凝固手術を受けました。
早期発見できれば網膜剥離も予防が可能です。
皆様も目の見え方に異変があればすぐに眼科を受診してください。

今回で終わりにしようと思ったのですが、個人的に感慨深いネタが一つありますので、あと1話だけ続きます。

毎年8月1日はPL花火です

花火が事務所から見えます。
向かいの公園の樹木が年々大きくなっており、視界が遮られつつありますが…
今年も楽しませていただいて大変ありがたいと思います。

網膜剥離闘病記 その5

2010年12月3日以降の入院生活
4人で一室の相部屋でした。
自分以外の同部屋の人は以下の2タイプでした。
1.白内障の手術のために入院する人
2.糖尿病が悪化してしばらく入院する人
1の人は2,3日すれば退院するので、入れ替わりが激しかったです。
2の人は私が入院している2週間少々の間に1回だけ入れ替わりがあった気がします。
糖尿病が悪化すると目に影響が出るようで、ほとんど見えないようでした。
最初は糖尿病患者がなぜ眼科病棟にいるの?と思いましたが、そういう理由があったのです。

入院中の左目の見え方ですが、水面上の空気が黄色く濁った水槽を逆さまにして見ている感じでした。
眼内の状態を網膜で認識する際に上下反対に映るため、水面が上になって見えるのです。
そして日を追うごとにその水面が少しずつ下に移動していくのです。
自然に手術時に充填した黄色いガスが抜けていき代わりに水で満たされていくごとに、その境界線が下に降りてくるのです。
なんとも不思議というか、目の見え方の仕組みを肌で感じることになってしまいました。

友人がお見舞いに来てくれるのですが、24時間下を向いていないといけないので顔を合わせることができません。
ずっと下を向いて話さなくてはならないので、そのうち落ち込んでいるのでは?とどうしても思われるのです。
「いやそんなことはないで」と口では伝えるのですが、どうしてもそう見えてしまうのでしょう。
やはり人の見た目は大事です。
たとえ本当に落ち込んでいたとしても、会う人には元気を与えられるように常に明るく振舞うようにしなければと思います。
闘病記は次回をもって最終回にしたいと思います。

テレビで国会中継やってます

消費税増税の議論をやっています。
逆進性とか軽減税率とか給付つき税額控除とかの話です。
世論調査では軽減税率を求める割合が高いようですが、一般消費者にとっては最も分かりやすいので当然だと思います。
しかし、軽減税率導入は消費税計算事務を担う事業者にとっては相当な負担増になります。
一つ一つの取引について、軽減税率適用対象なのか、税率が何%なのかを確認しなければなりません。
さらに消費税の計算方法がインボイス方式に変更される可能性もあり、その場合の事務負担増も避けられません。
果たしてどうなるのか?注意深く見ていく所存です。

さらに診療報酬が非課税であることについて議論していますが、この非課税に関して思うことがあります。
居住用住宅の賃貸業者も同じですが、消費税が非課税と規定されている事業を行う事業者にとって、消費税増税はゆゆしき問題になります。
通常、課税売上に対する仕入に係る消費税については税額控除を受けられるので、負担は以前と変わらないのですが、非課税売上が大半を占める事業者は税額控除をほとんど受けることができず、増税分が純粋な経費負担となります。
これとは逆に、同じく消費税が課されない輸出業者はゼロ%の課税売上とみなされ、仕入に係る消費税の還付を受けることができるため、何の影響もないという事実があります。
このあたりの格差の是正みたいな施策も必要なのでは?と思います。

網膜剥離闘病記 その4

2010年12月2日
「指定された姿勢」で過ごす日々が始まりました。
どんな姿勢かというと、常に顔を下向きにする姿勢です。
24時間下を向いて過ごさなければなりません。
もちろん寝ている間もです。
理由は、眼内に注入したガスの圧力を利用して、元の位置に戻した網膜を押さえつけるためです。
網膜は目の裏側にあるため、下を向くことによって網膜が上側の位置になり、ガス圧で押さえることができるという仕組みです。
時間が経てばガスは自然に抜けていき、代わりに眼内に水がたまっていくらしいです。
下向き解除が許されるのは、毎朝の診察時と、1日3回の目薬の時間だけです。
うまく網膜がくっつかない場合は再手術ということも聞かされておりまして、手術そのものの恐ろしさに比べたら下向き姿勢など楽なもんだと考えて、くっつけくっつけと祈りながら下向きを続けました。
次回へ続きます…